『果て遠き丘』

さ・ざ・しゃ・じゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(92)“じっ”

と、そのとき、恵理子は誰かの視線を感じた。ポプラから離れて、ふと対岸を見ると、タンポポの群れ咲く岸に腰をおろしてじっとこちらを見ている青年があった。十メートル離れたこちらからも、その眉は秀でて見えた。白いワイシャツの姿が清潔な印象を与えた。...
さ・ざ・しゃ・じゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(91)“すらり”

イタリヤポプラの下までくると、恵理子はポプラの幹によりかかって、まだ真っ白い大雪山を眺めた。透明な青空の下に、大雪山の雪は新雪のように純白に見えた。街から帰ってくる時々、恵理子はこうして、そのすらりとした肢体をポプラの幹にもたせて、大雪山を...
や行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(90)“ゆっくり”

恵理子は土手の端の柔らかいよもぎをちぎって、形のいい鼻に近づける。よもぎの新鮮な、鋭い香りが恵理子は好きだ。恵理子はよもぎを手に持ったまま、ゆっくりと歩いて行く。 三浦綾子 『果て遠き丘』[春の日](一)8より 〈著作物の使用について〉三浦...
は・ば・ぱ・ひゃ・びゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(89)“ひっそり”

が、恵理子の立つ、川一つ隔てたこの道には、いま、車はおろか、人影もない。川に向かって、小ぎれいな住宅の、赤や青の屋根屋根が、途切れ勝ちにひっそりと並んでいるばかりだ。川を境に、静と動の世界がある。それが恵理子の心を惹く。 三浦綾子 『果て遠...
講座・ガイド・読書会

【新聞掲載のお知らせ】2021年7月8日(木)「北海道新聞」朝刊で、「レイの模擬講座」など三浦綾子記念文学館の様々な取り組みが掲載されました。

件名について以下の通りお知らせをいたします。  ご興味がおありでしたら、お読みいただければ幸いです。 「北海道新聞」朝刊 16版3面 2021年7月8日(木) 地域から 三浦綾子生誕100年へ 記念館の挑戦 中  記事では、生誕100年記念...
案内人ブログ

【案内人ブログ】No.45 すばらしい出会い 記・近藤弘子

こんにちは、案内人の近藤弘子です。今年3月17日、初めて骨折をしました。それも三浦綾子さんの講座(道新文化センター駅前講座)を受講に行くとき、ビルの前の道路で!まだ雪があり段差で足をすべらせたのです。ボキッと変な音がしましたが転んではいない...
朗読劇

【お知らせ】リーディングシアター(朗読劇)及び朗読小説『果て遠き丘』(1)(2)(3)無料配信を終了しました

無料配信終了のお知らせ 平素より三浦綾子文学オーディオライブラリーをご愛顧賜りまして誠にありがとうございます。 当館公式サイトでは、三浦綾子生誕100年記念事業の一環として、2019年6月13日より朗読劇(リーディングシアター)及び朗読小説...
朗読劇

聴く、物語「三浦綾子文学オーディオライブラリー」

「三浦綾子作品を読みたいけれども、本を読むのはどうも……」「もっと読みたいけれどもなかなか時間がなくて」「視力が落ちて活字を読むのがきつくて……」という方にうれしいお知らせです。 ただいま三浦綾子記念文学館では、web上で「三浦綾子文学オー...