バスを降りると強烈な風が顔に吹き付けた。吹雪状態である。
油断した!読みが甘かった。
家を出た時は陽ざしもあったのに。
全身にも雪が強ばり付き、一歩一歩前進するが、意地悪く向かい風が吹く。
病院の予約時間が迫っているので進まねばならぬ。
何十年振りの吹雪の行軍を体験したのは、全国的に冬型の強まった1月某日の出来事である。
頭の片隅に子供の頃の景色がよみがえる。あの頃は毎日雪まみれで道なき道を歩いていたなぁ。
ともあれ久し振りの吹雪との戦いも無事に終り、次の日の天のご褒美は抜けるような青空と、輝く雪の結晶、真っ白な雪山。
この時に行くべき所が見本林です。光と影の樹木の隙間から落ちてくる雪の音と匂い。
そうです、雪にも匂いがあるのですよ。
不思議な時間と空間の中にいると空気も暖かく思えてきます。
一方で雪は厄介者であり、日常生活にも影響を及ぼします。交通障害や大きな災害に見舞われる事も少なくありません。それでも北海道民は後の愉しみを思い、「なんも、なんも。」精神で乗り越えているのです。
自分の家の雪掻きをする時は、おとなりさんの所も少し掻いて「なんも、なんも。」
車が動けなくなっているのを見かけると、スコップを持って何人か集まって来て掘ったり、押したり。脱出に成功すれば「なんも、なんも、止めたらまた埋まるから真っすぐ行きな。」
歩道ももちろん譲り合います。もう少しでどこからか、水の流れる音がして待ちかねた春です。
北海道旭川に春が来て、旭川は街中に花があふれます。
厳しい冬があってこその春の優しさです。


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