オノマトペで楽しむ三浦綾子(24)“きりっ”

か・が・きゃ・ぎゃ行

 きりっとしまっていた唇に、かすかな微笑が浮かんだ。苦い微笑であった。
(もしわしが工作をしなければ……)
 今頃、秀吉は奥州に兵を進めていたにちがいない。

三浦綾子 『千利休とその妻たち』[宗二打ち首](三)より


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