オノマトペで楽しむ三浦綾子(92)“じっ”

さ・ざ・しゃ・じゃ行

と、そのとき、恵理子は誰かの視線を感じた。
ポプラから離れて、ふと対岸を見ると、タンポポの群れ咲く岸に腰をおろしてじっとこちらを見ている青年があった。
十メートル離れたこちらからも、その眉は秀でて見えた。
白いワイシャツの姿が清潔な印象を与えた。

三浦綾子 『果て遠き丘』[春の日](一)10より


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