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そう夏枝は、村井にいいたかった。しかしそのどの言葉も、うっかり外に吐きだすことのできない言葉であった。誰にもいえない言葉を抱いている自分自身が、夏枝にはだれよりもあわれに思えてならなかった。
三浦綾子 『氷点』[歩調]より
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