か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(53)“きりり”

士族はえらいと当然のように思ってきた信夫である。それは雪は白い、火は熱いということと同じように、信夫には当然のことであった。(ほんとうに人間はみんな同じなのだろうか)信夫は唇をきりりとかみしめて枕に顔をふせていた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡...
ま・みゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(52)“むすっ”

信夫はむすっと唇をかんだ。「信夫。士族の子と町人の子とどこがちがうというのだ? 言ってみなさい」(ほんとうだ。どこがちがうのだろう)言われてみると、どこがちがうのか信夫にはわからない。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]173、174、175、17...
は・ば・ぱ・ひゃ・びゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(51)“ひりひり”

「信夫! 虎雄君の指は何本ある?」「五本です」殴られたほおがまだひりひりと痛んだ。「では、信夫の指は何本か? 六本あるとでもいうのか」 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]169、170、171、172より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世...
あ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(50)“おどおど”

「虎雄君。君の手を見せてほしい」貞行は虎雄に微笑を見せた。虎雄はおどおどと汚れた小さな手を出した。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]167、168より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団法...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(49)“きりり”

「信夫っ! もう一度今の言葉を言ってみなさい」凜とした貞行の声に信夫は一瞬ためらったが、そのきりりときかん気に結ばれた唇がはっきりと開いた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]160、161より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は...
あ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(48)“さっ”“うろうろ”

「そうです。ぼく町人の子なんかに屋根から落とされたりするものですか」信夫の言葉に貞行の顔色がさっと変わった。六さんはうろうろとして貞行を見た。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]158、159より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権...
あ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(47)“いらいら”

「ちがう。ぼくがひとりで落ちたんだ」信夫がいらいらと叫んだ。貞行は微笑して、二、三度うなずいた。信夫に年下の友だちをかばう度量のあることが嬉しかった。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]155、156より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(46)“きちん”

「いったい、どうしたというのだね」貞行はきちんと正座したままで、おだやかに言った。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]149、150より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団法人三浦綾子記念文...
さ・ざ・しゃ・じゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(45)“しょんぼり”

貞行をみると、六さんがあわててたたみに額をこすりつけた。「どうも、虎雄がとんだことを致しまして……」虎雄もしょんぼりとうつむいていた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]144、145、146より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(44)“くしゃくしゃ”

言いかけた六さんの言葉を信夫が鋭くさえぎった。「ちがう! ぼくがひとりで落ちたんだ!」信夫の言葉に六さんの顔がくしゃくしゃにくずれた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]134、135、136より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権...
は・ば・ぱ・ひゃ・びゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(43)“ぽかん”

「お前がおれをつき落としたなんて、だれにも言うな!」信夫は命令するように、口早に言った。虎雄はポカンとして信夫をみた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]121、122より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を...
は・ば・ぱ・ひゃ・びゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(42)“ぴりり”

「空の向こうに行かなきゃ、わかるわけがないや」信夫は利かん気に眉をピリリとあげた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]89、90より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団法人三浦綾子記念文化財...
な行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(41)“にやり”

「ふうん。三年生でも空の向こうに何があるのか、わからんの」虎雄の黒豆のような目がにやりと笑った。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]87、88より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団法人三浦...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(40)“きっぱり”

「知らん」信夫はきっぱりとした口調で答えた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]85、86より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団法人三浦綾子記念文化財団」が所有・管理しております。著作物の...
さ・ざ・しゃ・じゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(39)“ばたばた”

(もう先生はどこにも行かないぞ)信夫は得意満面という顔つきで、元気よくバタバタと廊下をかけて外に遊びに出た。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]73、74より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益...
さ・ざ・しゃ・じゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(38)“そっ”

「ほんとうにどこにも行かないでね」念を押すと、先生は信夫の手をそっと握って微笑した。信夫はうれしかった。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]71、72より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団...
な行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(37)“にっこり”

先生はおどろいたようにそう言ってから、「わかりましたよ」とにっこりして、信夫の着物の肩あげをちょっとつまんだ。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]68、69、70より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営す...
は・ば・ぱ・ひゃ・びゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(36)“ぴたり”

祖母はそういって、信夫のそばにぴたりと坐った。祖母がひざをくずした姿を、信夫は一度もみたことがない。だから女はみんなこうして坐るものと信夫は思っていた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]20より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(35)“こっくり”

「あら、永野さんはどうしました? 遊びに行かないんですか」信夫はだまって、こっくりとうなずいた。先生はおどろいて足早に近づいてきた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]55、56より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記...
三浦文学案内人の会

【お知らせ】2023年4月22日(土)13時00分より、「綾子と海」ギャラリートークを三浦綾子記念文学館本館2階第4展示室にて開催いたします。

みなさまいかがお過ごしでしょうか。三浦綾子記念文学館では、4月1日(土)より2023年度企画展 三浦文学案内人による企画展示「綾子と海」を開催しております。 関連行事として、きたる4月22日(土)13時よりギャラリートークを開催することにな...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(34)“ぞろぞろ”“ぐずぐず”

翌日休み時間の鐘がなって、生徒たちはぞろぞろと外の運動場に遊びに出た。しかし信夫はぐずぐずと教室に残っていた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]54より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文学館を運営する「公益財団...
さ・ざ・しゃ・じゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(33)“すべすべ”“つるつる”

先生が近よってくると、何かいい匂いが漂う。祖母のトセのようにびんつけ油の匂いとはちがうと信夫は思った。先生と手をつなぐと、やわらかくて、すべすべしていて、信夫の手までつるつるになるような感じだった。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]48より 〈著...
さ・ざ・しゃ・じゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(32)“そっ”“もじもじ”

先生はよく生徒の頭をなでた。先生が近よってきて、そっと頭をなでると、いたずらをしていたわんぱく小僧たちはもじもじしておとなしくなった。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]47より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(31)“つくづく”“きちん”

信夫はつくづくと思ったものである。今も祖母がきちんとひざをそろえて信夫のそばに坐った時、信夫は何となく虎雄の母の姿を思い出した。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]28、29より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三浦綾子記念文...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(30)“がたごと”

いつか信夫は六さんに連れられて、一度虎雄の家に遊びに行ったことがある。ガタゴト音のするどぶ板を踏んで、戸をあけるといきなり部屋があったのに信夫はおどろいた。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]26より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(29)“がっしり”

祖母はがっしりとした体つきで、怒ると父の貞行よりずっと恐ろしい。だがだいたいにおいて信夫をかわいがってくれたから、信夫は祖母がきらいではなかった。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]16より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三...
か・が・きゃ・ぎゃ行

オノマトペで楽しむ三浦綾子(28)“げっ”“ぽろぽろ”

信夫は口の中に指をさし入れて、のどちんこにさわろうとしてゲッと吐きそうになった。すると目に涙がにじんだかと思うと、涙がポロポロとこぼれてしまった。 三浦綾子 『塩狩峠』[鏡]14より 〈著作物の使用について〉三浦綾子・三浦光世の著作権は、三...
三浦綾子作文賞

第25回 三浦綾子作文賞 作品募集について 

募集要項は準備ができ次第お知らせをいたします。今しばらくお待ちくださいませ。お問い合わせは、三浦綾子記念文学館までお願いいたします。メール(toiawase@hyouten.com)か、電話(0166-69-2626)でお寄せください。
三浦文学案内人の会

新しい「三浦文学案内人」9名に委嘱状を交付しました

「三浦文学案内人養成講座」(道新文化センター旭川駅前教室で開催)を前期・後期ともに修了した9名の方々が、新しく「三浦文学案内人」に加わりました。田中綾館長からの委嘱状が交付され、現役メンバーたちから熱い祝福を受けました。 三浦文学案内人は、...
読書会

【行事案内】2023年4月11日(火)13時30分から 三浦綾子読書会 ゆっくり読む『天北原野』を開催いたします。

件名のとおり、三浦綾子読書会 ゆっくり読む『天北原野』 を開催いたします。三浦綾子『天北原野』の対象箇所を輪読し、講師の解説後、感想を語り合う会です。 傍聴も可能です。どなたでも参加できます。ご不明点がございましたらお問い合わせをいただけれ...